杉本です。
和歌山県で進めていた、宝来のスリーコートハウスが完成しました。
周囲からの視線を抑えながら、室内に光と風を取り込むため、三つの中庭を設けた平屋の住まいです。
この住宅では、敷地の中央に大きな庭を一つ設けるのではなく、それぞれに役割の異なる三つの中庭を配置しています。
リビングに面した庭。
落ち着いた時間を過ごすための庭。
室内の奥まで光と風を届けるための庭。
同じ中庭でも、場所によって広さや見え方、室内との距離を変えています。

住宅の開放感というと、大きな窓から外の景色を眺めることをイメージするかもしれません。
ただ、周囲に住宅が建つ環境では、窓を大きくするだけでは、落ち着いて暮らせる空間にはなりません。
外に向かって無理に開くのではなく、建物の内側に自然を取り込む。
そのための方法の一つが、中庭のある住まいだと考えています。

三つの中庭から入る光は、時間によって少しずつ表情を変えます。
朝の柔らかな光。
昼の明るくはっきりとした光。
夕方に壁や天井を斜めに照らす光。
太陽の位置が変わるたびに、室内の明るさや陰影も変化し、一日の時間の流れを感じることができます。

また、中庭を挟んで室内同士が見えることで、実際の床面積以上の奥行きも生まれています。
窓の向こうに庭があり、そのさらに向こうに別の部屋が見える。
空間が一度外へ抜け、再び室内へとつながることで、平屋でありながら視線が遠くまで伸びていきます。
三つの中庭は、単に採光や通風を確保するためのものではありません。
植物の揺れや、空の色、雨の音など、外部で起きている小さな変化を暮らしの中へ届けてくれます。
外に閉じながら、内側には自然に向かって開いている。
そんな住まいになりました。
建物が完成した時点では、まだ植栽工事は終わってないので、竣工写真は落ち着いた秋くらいに撮らせていただきます。
また植栽が入った中庭も楽しみです。


