杉本です。
昨年から和歌山県白浜町で進めていた、オーシャンビューハウスの第一期が完成しました。
高台にある広い敷地から、白浜の海を望む平屋の住まいです。
この住宅で最初に考えたのは、海に向かって大きく開くことと、周囲からの視線をどのように両立させるかということでした。
室内からはできるだけ自然に海が見え、外からは暮らしの様子が直接見えないよう、建物の配置や壁の高さ、窓の位置を細かく調整しています。
単に大きな窓を設けるのではなく、開く方向と閉じる方向を明確にすることで、落ち着きのある開放的な空間を目指しました。

建物はモノトーンを基調とした、シンプルな構成としています。
室内の色や素材を抑えることで、窓の向こうに広がる海や空、時間によって変化する光が、より鮮明に感じられるように考えました。
天候や時間によって海の色は大きく変わります。
晴れた日の強い光だけでなく、曇りの日の静かな海や、夕方に少しずつ色を失っていく空も、この家の風景の一部になります。

また、この住宅では、雨水を生活用水として利用する仕組みも取り入れています。
自然に囲まれた場所で暮らすということは、景色を楽しむだけではなく、その土地の環境や災害時のことも含めて、暮らし方を考えることだと思います。
建築設備としては実験的な部分もありますが、これからの住宅に必要な自立性について考える、ひとつの試みとなりました。

海に開きながら、静かに落ち着いて暮らせること。
自然を近くに感じながらも、日々の生活が無理なく続いていくこと。
この土地でしかつくることのできない住まいになったと思います。
これから時間を掛けて第二期の庭の設計を進めていきます。
完成は少し先になりますが、じっくりと考える外構も楽しみです。


