杉本です。
関西はほとんど雨が降ってない状況で梅雨入り、そしてまた降らずに梅雨明けとなりました。今年は記憶にないくらい雨の降らない梅雨となりましたね。
カラ梅雨が明けて更にピーカンの常夏。6月でこの気温は先が思いやられますね。。。
さて、本日は前回お話に上げた模型の話を少し。
シンクスタジオでは建物を計画していく上で、模型を大切な検討手段としています。
プランを作る前に、まずは敷地周辺建物まで作り込んだ1/100の縮尺の周辺模型を作ります。敷地の状況をまずは机の上に再現するイメージです。
初めから面白いプランではなくて、まずは要望を満たしたなんの変哲もないオーソドックスなプランを作ります。これがまずは建物の規模感を掴むための作業です。
周辺状況と建物サイズ感を掴んだ上で、ここからが本番。
あーでもないこーでもないとプランをいくつも練っていきます。それぞれにボリューム模型を作って、その案の良いところ悪いところを出し切ります。
1軒の住宅でもこの作業を初期の段階で徹底的に数を出します。
それによって、初めからこれが答えだろうなという案以外の可能性を検討することで、その敷地の持っている本当のポテンシャルが見えてくるという訳です。
答えがなんとなくわかっていても、それ以外のプランを作ってみるというのがミソです。
施主に見せることのない没案をいくつ作れるか。
地味で大変な作業ですが、これをするとしないとでは最終の案の強さが変わってきます。
そのためにこの模型作業というのが最も大切な検討ツールになります。
住人の目線で建物を検討するのはもちろん、前面道路の目線の高さに合わせて通りを歩く人の目線で、時には隣の家の人の目線、はたまた向かいの建物からの目線で。
これを行う上で最も適したツールが模型なのです。
2次元ではなくあくまで3次元で物事を考える。
これと決めつけずに、他の可能性も考えてみる。
クライアントにお見せするのは、これを乗り越えてきた案のみ。
没案は誰にもお見せすることはありませんが、ここをきっちりやることが「設計だけ」を本職とする私たちの職能であると考えます。
良い案に出会うために沢山の没模型を作ること。もっとも手間がかかるけれども一番早道の方法なのです。